SNSのアカウント乗っ取りを防ぐには?もしもの時の安心対策と日頃の心がけ
突然のメッセージ、それは「アカウント乗っ取り」かもしれません
「SNSのアカウントが乗っ取られたらどうしよう?」 「自分の知らないメッセージが、勝手に友達に送られていたらどうしよう?」
このように、SNSを利用していて、ご自身の「アカウント」が誰かに悪用されてしまうことに不安を感じていらっしゃる方は少なくありません。特に、親しいご家族やご友人との連絡手段としてSNSを使われている方にとっては、とても心配なことだと思います。
この記事では、もしも大切なSNSのアカウントが、悪い人に乗っ取られてしまったかもしれない、という「もしもの時」にどうすれば良いのか、そして、そうならないために日頃からできる「予防策」を、初めての方にも分かりやすい言葉で丁寧にご説明いたします。
アカウント乗っ取りはなぜ起こるのでしょうか?
アカウントの乗っ取りは、まるで「お家の鍵を盗まれて、誰かが勝手に入り込んでしまう」ようなものです。SNSのアカウントでいう「鍵」にあたるのが、「パスワード(合言葉)」です。
悪い人たちは、主に以下のような方法でこの「鍵」を手に入れようとします。
- パスワードを予想する: 誕生日や単純な数字の並びなど、予想しやすいパスワードを設定していると、悪い人に当てられてしまうことがあります。
- 偽のメッセージでパスワードを聞き出す: 「〇〇(SNSの名前)からのお知らせ」などと偽って、パスワードを入力させるサイトへ誘導するメッセージを送ってくることがあります。そこで入力してしまうと、パスワードが盗まれてしまいます。
- 他の場所で使っていたパスワードを悪用する: もし、他のインターネットサイトで使っていたパスワードが盗まれてしまった場合、SNSでも同じパスワードを使っていると、そこから悪用されてしまうことがあります。
このように、私たちの「鍵」の管理の隙を狙って、悪い人たちはアカウントを乗っ取ろうとするのです。
もしもの時!アカウントが乗っ取られたかもしれないと感じたら、どうすれば良いでしょうか?
もし「もしかして、私のアカウントが乗っ取られたかも?」と感じたら、まずは落ち着いて、次のステップで対処しましょう。
ステップ1: まずはログインを試して、パスワードを変更しましょう
すぐに、そのSNSにログインできるかどうか試してみてください。
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ログインできた場合: すぐにパスワード(合言葉)を新しいものに変えましょう。
- SNSのアプリを開きます。
- 画面下や右上などにある「設定」や「プライバシー設定」など、歯車のマークや三本線のマークをタップします。
- 「アカウント設定」や「セキュリティとログイン」といった項目を探してタップします。
- 「パスワード変更」や「合言葉を変える」といった項目を選び、新しいパスワードを設定します。この時、誕生日など分かりやすいものは避け、なるべく複雑なものにすることをおすすめします。
- 変更が完了したら、一度SNSからログアウトして、新しいパスワードで再度ログインできるか確認しましょう。
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ログインできなかった場合: すでに悪い人にパスワードを変えられてしまっているかもしれません。その場合は、ログイン画面にある「パスワードを忘れた場合」や「パスワードをリセット」という項目を探してタップしましょう。
- 登録している「メールアドレス」や「電話番号」宛てに、本人確認のための「認証コード」が送られてきます。
- 送られてきたコードを画面に入力すると、新しいパスワードを設定できる画面に移ります。
- 新しいパスワードを慎重に設定し、ログインし直しましょう。
ステップ2: お友達に注意を呼びかけましょう
もしアカウントが乗っ取られていた場合、悪い人があなたになりすまして、お友達に変なメッセージを送っている可能性があります。
ご家族や親しいお友達には、電話や別の方法(LINEが乗っ取られたら電話など)で、「もしかしたら、私のアカウントから変なメッセージが送られているかもしれません。もし届いても、開かずに無視してくださいね」と伝えておくと安心です。
ステップ3: SNSの運営会社に報告しましょう
多くのSNSには、アカウントの乗っ取りや不正利用を報告する機能があります。SNSの「ヘルプ」や「サポート」の項目を探し、「アカウントの乗っ取り」や「不正アクセス」に関する連絡先や報告フォームを見つけて、状況を伝えましょう。運営会社が対応してくれる場合があります。
日頃からできる!安心のための予防策
アカウント乗っ取りの被害に遭わないためには、日頃からの心がけが大切です。まるで、お家の鍵をしっかり管理し、二重の鍵をかけるようなものです。
1. パスワードは「複雑に、使い回さない」
- 複雑なパスワードを設定する: 誕生日や名前、単純な数字(123456など)は避け、数字、アルファベットの大文字と小文字、記号(@や#など)を組み合わせた、他人には予想しにくいパスワードを設定しましょう。
- パスワードの使い回しをやめる: いくつものSNSやサイトで同じパスワードを使っていると、どれか一つが悪い人に知られてしまうと、他のサービスも全て乗っ取られる危険性が高まります。大切なSNSには、それぞれ異なるパスワードを設定することをおすすめします。
2. 「二段階認証」を設定して、二重の鍵をかけましょう
これは、SNSのセキュリティをぐっと高めるための、とても大切な設定です。
「二段階認証」とは、パスワード(一つ目の鍵)を入力した後に、さらに「もう一つの確認(二つ目の鍵)」をすることで、本人であることを確認する方法です。たとえば、スマートフォンに送られてくる数字のコードを入力したり、指紋や顔の認証を使ったりします。
たとえ悪い人がパスワードを知ってしまったとしても、この二つ目の確認ができなければログインできないため、乗っ取りの被害に遭う可能性がぐっと減ります。
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LINEの場合:
- LINEアプリを開き、「ホーム」画面右上の「設定」(歯車のマーク)をタップします。
- 「アカウント」をタップします。
- 「二段階認証」または「ログイン時のセキュリティ」といった項目を探してタップし、案内に従って設定を進めます。通常は、登録している電話番号宛てに送られてくるコードを入力することになります。
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Facebookの場合:
- Facebookアプリを開き、画面右下にある「メニュー」(三本線のマーク)をタップします。
- 「設定とプライバシー」をタップし、さらに「設定」をタップします。
- 「セキュリティとログイン」という項目を探してタップします。
- 「二段階認証」または「二段階認証を使用」といった項目を選び、画面の指示に従って設定します。
設定方法が分からない場合は、お近くの詳しい方や、SNSのヘルプページも参考にしてみてください。
3. 不審なメッセージやリンクは開かないようにしましょう
「あなたのアカウントが停止されます」「プレゼントが当たりました」など、心当たりのないメッセージや、なんだか怪しいと感じるリンク(青い文字のURLなど)が送られてきたら、決して開かないようにしましょう。開いてしまうと、パスワードを盗まれたり、悪いプログラムが入り込んだりする危険があります。
メッセージが来たら、まずは落ち着いて「本当に信頼できる相手からのものか」「内容に変なところはないか」を確認することが大切です。
4. スマートフォンやアプリを最新の状態に保ちましょう
スマートフォンのシステムやSNSのアプリには、安全を守るための更新が定期的に行われています。これらの更新をきちんと行うことで、新しい悪い手口からあなたを守ってくれるようになります。
まとめ:安心安全にSNSを楽しむために
SNSのアカウントが乗っ取られることは、誰にでも起こりうる不安な出来事です。しかし、適切な対処法を知り、日頃から少しだけ注意を払うことで、そのリスクを大きく減らすことができます。
もし、ご自身のアカウントが乗っ取られてしまったかもしれないと感じたら、この記事でご紹介したステップを思い出して、落ち着いて対処してください。そして、今日からできる「二段階認証の設定」や「パスワードの見直し」をぜひ試してみてください。
SNSは、大切な人たちとつながり、日々の楽しみを分かち合うための素敵な道具です。この記事が、皆さまがSNSを安心安全に、そして楽しく使い続けるための一助となれば幸いです。